
豊前神楽の背景にあるもの
山は古の頃から聖なる場所として人々の崇敬の対象となり、神の住む特別な空間として神聖視されてきた。中でもシンボリックな山容は信仰の対象となり、求菩提山という円錐形の独特の形をした山は、修験道(山岳信仰)の拠点として多くの山伏が修行に励んだという。
山伏たちは厳しい修行を積むことで特別な力が宿ると考えられ、その力をもって加持祈祷を行い様々な災いから民衆を救おうとした。
その力を示す儀礼の一つが神楽であり、鬼杖(おんづえ)と呼ばれる魔法の杖を人々に授けるために山伏は鬼を鎮め、命の再生を果たそうとした。